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初めて人を雇うときの手続き

社長ひとりだった会社が最初の1人を雇うと、それまでなかった手続きが一気に増えます。社会保険(健康保険・厚生年金)はすでに入っているはずなので、新しく発生するのは主に労働保険まわり帳簿です。

新しく発生するもの・しないもの

手続きひとり法人のとき1人雇ったあと
健康保険・厚生年金すでに加入被保険者を1人追加
労災保険(労働保険)対象者なし新たに成立
雇用保険対象者なし新たに成立(条件を満たす場合)
法定三帳簿役員のみなら対象外作成義務
就業規則不要常時10人未満なら義務なし

役員は労働者ではないため、社長ひとりの間は労災も雇用保険もありません。最初の1人で初めて「労働者を使う事業」になります。

1. 労働保険の保険関係成立届

労働保険徴収法第4条の2第1項は、保険関係が成立した事業の事業主は「その成立した日から十日以内」に届け出なければならないと定めています。提出先は所轄の労働基準監督署です。

あわせて概算保険料申告書を提出し、その年度分の労災保険料を先に納めます。労災保険料は全額会社負担で、給与から控除しません。

2. 雇用保険適用事業所設置届

雇用保険法施行規則第141条第1項は、事業所を設置したときは「その設置又は廃止の日の翌日から起算して十日以内」に、登記事項証明書・賃金台帳・労働者名簿などを添えてハローワークへ提出すると定めています。

ここで登記事項証明書が必要になります。取り方は→ 登記事項証明書の取り方。オンラインで取得する場合は→ 登記情報提供サービスの使い分け

3. 雇用保険被保険者資格取得届

同規則第6条第1項は、被保険者となった「事実のあつた日の属する月の翌月十日まで」に資格取得届を提出すると定めています。

設置届と資格取得届は期限が違います。設置は10日以内、資格取得は翌月10日までです。

4. 法定三帳簿を作る

労働基準法は3つの帳簿を求めています。

帳簿根拠内容
労働者名簿労基法107条氏名・生年月日・履歴など
賃金台帳労基法108条賃金計算の基礎となる事項と賃金額を、賃金支払の都度記入
出勤簿など労働時間の適正把握始業・終業時刻の記録
保存期間について、労働基準法第109条は「五年間保存しなければならない」と定めていますが、同法附則第143条第1項により「当分の間」は三年間と読み替えられています。実務上は5年保存を前提に運用しておくと、読み替えが解除されたときに困りません。

書類全般の保存年数の考え方は→ 重要書類の保管ルール

5. 給与の支払いで発生すること

給与を払う以上、源泉徴収と住民税の天引きが発生します。

雇うか、外注にするか

「手続きが増えるから業務委託にしたい」と考える人がいますが、契約書の名前で決まるものではありません。判断基準は→ 業務委託契約と偽装請負の線引き、経費処理の違いは→ 外注費と給与の区別

順番

1. 雇用契約書を作る(労働条件の明示)
2. 保険関係成立届(10日以内・労基署)+概算保険料申告
3. 雇用保険適用事業所設置届(10日以内・ハローワーク)
4. 雇用保険被保険者資格取得届(翌月10日まで)
5. 健康保険・厚生年金の被保険者資格取得届(5日以内・年金事務所)
6. 労働者名簿・賃金台帳・出勤簿を用意

雇用契約書に何を書くかは→ 労働条件の明示で書かなければならないこと。時間外労働をさせるなら→ 36協定と時間外労働の上限。翌年からは→ 労働保険の年度更新

従業員の個人番号を集めたら管理義務が発生します。→ マイナンバーの取扱い

毎月の計算手順は→ 給与計算の手順。雇入時に健康診断も必要です。→ 健康診断の義務

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6問で次にやることを出す

出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律4条の2、雇用保険法施行規則141条・6条、労働基準法107〜109条および附則143条(いずれもe-Gov法令検索で条文を確認)/最終確認日:2026年9月9日