マイナンバーの取扱い
マイナンバーは、普通の個人情報より厳しく扱われます。「必要だから集める」までは同じですが、使い終わったら持っていてはいけないという点が決定的に違います。
いつ必要になるか
| 場面 | 誰の番号 |
|---|---|
| 給与の源泉徴収票・給与支払報告書 | 従業員と扶養親族 → 住民税の特別徴収と給与支払報告書 |
| 社会保険の資格取得届 | 従業員 → 初めて人を雇うときの手続き |
| 雇用保険の資格取得届 | 従業員(条文に個人番号の記載が明記されている) |
| 報酬の支払調書 | 外注先(個人)→ 源泉徴収が必要になる支払い |
| 役員報酬 | 役員本人(社長自身を含む) |
ひとり法人でも、社長自身の源泉徴収票を作る時点で自分の番号を使います。
収集と保管の制限
番号法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)第20条:何人も、前条各号のいずれかに該当する場合を除き、特定個人情報(他人の個人番号を含むものに限る。)を収集し、又は保管してはならない。
19条は提供が認められる場合を列挙した条文で、その裏返しとして「必要な事務のためでなければ集めても持ってもいけない」という構造になっています。
第19条第2号:個人番号関係事務実施者が個人番号関係事務を処理するために必要な限度で特定個人情報を提供するとき。
※会社が源泉徴収票や社会保険の届出のために番号を扱うのが、この「個人番号関係事務」にあたります。
※会社が源泉徴収票や社会保険の届出のために番号を扱うのが、この「個人番号関係事務」にあたります。
管理する義務
番号法第12条:個人番号利用事務等実施者は、個人番号の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の個人番号の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。
普通の個人情報との違い
| 一般の個人情報 | マイナンバー | |
|---|---|---|
| 利用できる範囲 | 特定した利用目的の範囲 | 法令が定める事務に限定 |
| 本人の同意 | 同意があれば目的外利用も可 | 同意があってもできない |
| 保管 | 目的の範囲で保管可 | 必要がなくなれば保管できない |
| 社内での共有 | 業務上必要な範囲 | 取り扱う担当を限定する |
一般の個人情報の扱いは→ 顧客情報を扱うときの個人情報保護法
ひとり法人での現実的な運用
1. 取得時に本人確認をする(番号確認+身元確認)
2. 紙なら鍵のかかる場所、電子なら他の書類と分けたフォルダに置く
3. 誰が触れるかを決める(ひとりなら自分だけ)
4. 使う事務が終わり、所管法令で定められた保存期間が過ぎたら廃棄・削除
5. 廃棄した記録を残す
4が一番忘れられます。退職した従業員の番号を持ち続けているのは、それ自体が問題になります。
保存期間は、その番号を使った書類ごとに所管法令で定められています(源泉徴収関係、社会保険関係でそれぞれ異なる)。「番号だけ何年」ではなく、書類の保存期間に従うという考え方です。→ 会社の重要書類の保管
外注先の番号
個人の外注先に支払調書が必要な支払いをする場合、相手のマイナンバーを提供してもらうことになります。「取引開始時にまとめて」ではなく、必要な事務が発生する時点で依頼するのが原則的な考え方です。→ 外注費と給与の区別
会計ソフト・労務ソフトを使う場合
マイナンバー管理機能を持つサービスを使えば、保管場所の分離とアクセス制限が仕組みで担保されます。自前でExcelに並べるより安全です。→ 法人向け会計ソフトの選び方
次に読む
6問で次にやることを出す出典:行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 12条、19条、20条(e-Gov法令検索で条文を確認)。具体的な安全管理措置は個人情報保護委員会のガイドラインを参照/最終確認日:2026年9月9日