初めての決算でやること
法人税法は、内国法人は各事業年度終了の日の翌日から2月以内に、確定した決算に基づく申告書を提出しなければならない、と定めています(第74条第1項)。3月決算なら5月末です。
2か月で何をするのか
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 帳簿を締める:期中の取引をすべて記帳し、残高を合わせる → 法人の会計をどう回すか |
| 2 | 決算整理:減価償却、棚卸、未払・前払の計上など |
| 3 | 決算書を作る:貸借対照表・損益計算書など。申告書に添付が必要です(法人税法74条3項) |
| 4 | 株主総会・社員の承認:「確定した決算」に基づく必要があるため、承認の手続きを踏みます |
| 5 | 申告と納付:法人税・地方法人税(税務署)、法人事業税・特別法人事業税・法人住民税(都道府県・市区町村)、消費税(課税事業者の場合) |
2か月に間に合わないとき
法人税法には確定申告書の提出期限の延長の特例(第75条の2)があります。定款等の定めや特別の事情により、事業年度終了の日の翌日から2月以内に定時総会が招集されない常況にあると認められる場合、申請にもとづいて1月間(会計監査人を置いているなど一定の場合はさらに長い期間)延長できます。
ここを誤解しないでください。
延長できるのは申告書の提出期限であって、納付の期限ではありません。延長した場合、その期間について利子税がかかる扱いになります。「延長すれば納税も待ってもらえる」わけではありません。詳細は税務署か税理士にご確認ください。
また、事前の申請が必要です。決算が終わってから慌てて使える制度ではありません。
第1期は短くなることが多い
設立日から決算日までが第1期です。設立から数か月で最初の決算が来ることもあります。「1年あると思っていたら3か月だった」というのが、初年度でいちばん多いつまずきです。→ 決算期はいつにするか/会社の設立日はどう決まるか
第1期が短いと、均等割は月割になります。一方で決算と申告の作業は、期間が短くても発生します。
設立時に出した届出が効いてくる
- 青色申告の承認申請:出していないと欠損金の繰越しなどが使えません → 承認申請はいつまでか
- 源泉所得税の納期の特例:出していれば年2回にまとめられます → 設立後に出す届出の一覧
- 消費税の届出:課税事業者かどうかで申告の有無が変わります → 免税が崩れる条件/インボイス登録
決算の段になって「あの届出を出していなかった」と分かっても、遡れません。設立直後の届出は、初回の決算のための準備でもあります。
自分でやるか、税理士に頼むか
記帳は会計ソフトで自分でもできますが、法人税の申告書は別物です。別表という様式群を作る必要があり、個人の確定申告とは作業量が違います。
判断の目安
・取引が少なく、時間をかけられるなら、自分でやる余地はあります
・役員報酬、消費税、償却資産、決算期の設計など、判断が絡む論点があるなら、初年度だけでも見てもらう価値が大きくなります
・当サイトでは金額の有利不利を判定しません
→ 税理士に頼むかどうかの判断/役員報酬の決め方と変更できる時期
決算のあとに来るもの
- 役員報酬の改定:改定できる時期が決まっています → 3か月ルール
- 株式会社の役員の任期:任期は「定時株主総会の終結の時まで」なので、決算と一緒に来ます → 役員の任期と重任登記
- 決算期を変えたくなったら → 決算期をあとから変えるには
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6問で、先に手をつける順番を出す出典:法人税法第74条・第75条の2(e-Gov法令検索)。最終確認日:2026年9月8日。このページは税務の助言ではありません。期限と適用は税務署か税理士にご確認ください。