当サイトは広告(アフィリエイトプログラム)を利用しています。

設立から2年の免税が
崩れる条件

「設立から2年は消費税がかからない」とよく言われますが、正確には基準期間がないから原則として免除されるという話で、崩れる条件が4つあります。

そもそもの仕組み

消費税の納税義務は、原則として基準期間(法人はその事業年度の前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下かどうかで判定されます。設立したばかりの法人には前々事業年度がないため、第1期と第2期は基準期間がありません。ここが「2年間免税」と言われる理由です。

崩れる条件① 資本金1,000万円以上

国税庁は、その事業年度の基準期間がない法人のうち、その事業年度開始の日における資本金の額または出資の金額が1,000万円以上であるときは納税義務が免除されない、としています。

「1,000万円未満」ではなく「1,000万円以上でアウト」です。ちょうど1,000万円は課税事業者になります。資本金を決めるときに、ここは意識しておいてください。→ 資本金はいくらにするか

崩れる条件② 特定期間の売上または給与

第2期については、特定期間による判定が入ります。法人の特定期間は原則として前事業年度開始の日以後6か月の期間です。

判定内容
課税売上高特定期間の課税売上高が1,000万円を超えると、納税義務は免除されない
給与等支払額課税売上高に代えて、特定期間中に支払った給与等の金額の合計額で判定してもよい
どちらを使うか納税者の任意(国外事業者を除く)

両方が1,000万円を超えていなければ、免税のままです。売上が伸びても、給与を出していなければ給与基準で判定するという選択ができます。役員報酬も給与等に含まれる点に注意してください。→ 役員報酬の決め方

第1期を7か月以下にすると判定が変わる

消費税法第9条の2第4項は、特定期間について「その事業年度の前事業年度(七月以下であるものその他の政令で定めるもの(短期事業年度)を除く。)がある法人」は前事業年度開始の日以後6か月の期間、としています。

前事業年度が7か月以下なら「短期事業年度」として特定期間から除かれます。
第1期を7か月以下に設定した場合、第2期は前々事業年度を見ることになりますが、設立したばかりの法人にはそれもありません。結果として、第2期も特定期間による判定を受けにくくなります。

ただし、第1期が短くなるぶん第3期が早く来ます。また均等割は事業年度の月数で月割になり、決算と申告の回数も1回分早く増えます。資本金・売上見込み・決算期をまとめて設計する話なので、実行する前に税理士に確認してください。当サイトでは個別の可否を判定できません。→ 決算期はいつにするか

崩れる条件③ 特定新規設立法人

基準期間がない事業年度でも、他の者に株式等の50%超を直接または間接に保有されるなどの状況にあり、かつ判定対象者の課税売上高が5億円を超える場合などは、免除されません(令和6年10月1日以後は、売上合計が50億円超の場合も含まれます)。

既存の会社や、規模の大きい個人が出資して作る子会社が該当します。ひとりで自己資金で作る場合は、通常あてはまりません。

崩れる条件④ 自分でインボイス登録をする

インボイス発行事業者になると課税事業者になります。免税を維持することと、インボイスを出せることは両立しません。ここは制度の選択の問題です。→ 設立時にインボイス登録をするか

確認の順番

1. 資本金は1,000万円未満か
2. 出資者に、売上の大きい会社や個人が入っていないか
3. 第2期に向けて、特定期間の売上と給与の見込みはどうか
4. 取引先の都合で、そもそもインボイス登録が要るのか

4を先に決めると、1〜3の議論が要らなくなることがあります。BtoBで登録が避けられないなら、免税をどう守るかを考える意味は薄くなります。

次に読む

6問で、先に手をつける順番を出す

出典:国税庁「No.6531 新規開業又は法人の新規設立のとき」「No.6501 納税義務の免除」/消費税法第9条の2(e-Gov法令検索)。最終確認日:2026年9月8日。このページは税務の助言ではありません。判定は税務署か税理士にご確認ください。