社労士に頼むか自分でやるか
この記事の要点
- 社長ひとりの間は、自分でできます。やることは年1回の算定基礎届と、報酬を変えたときの月額変更届くらいです。
- 人を雇った時点で作業量が変わります。入社・退社のたびに期限の短い届出が発生し、給与計算も毎月続きます。
- 頼むかどうかの分かれ目は人数ではなく、「入退社が起きるか」「就業規則が要る規模か」「トラブルの芽があるか」です。
ひとり法人のうちにやること
| 時期 | やること | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 設立直後 | 健康保険・厚生年金の新規適用届、被保険者資格取得届 | 事実発生から5日以内 |
| 毎年7月 | 算定基礎届(定時決定) | 7月1日〜7月10日 |
| 報酬を変えたとき | 月額変更届(随時改定) | 3か月の平均が確定してから |
年に数回です。→ 社会保険は社長ひとりでも入るのか、社会保険の算定基礎届、社会保険の月額変更届
人を雇うと何が増えるか
| 場面 | 発生する手続き | 負担の性質 |
|---|---|---|
| 入社時 | 労働保険の成立届(10日以内)、雇用保険の設置届(10日以内)と資格取得届(翌月10日まで)、社会保険の資格取得届(5日以内) | 期限が短く、同時に複数の窓口 |
| 毎月 | 給与計算、源泉所得税と住民税の控除と納付 | 毎月くり返す |
| 毎年6〜7月 | 労働保険の年度更新、算定基礎届 | 同じ時期に集中する |
| 退社時 | 雇用保険の資格喪失届(翌日から10日以内)、離職証明書、社会保険の資格喪失届(5日以内) | 本人の失業給付に直結する |
詳細は→ 初めて人を雇うときの手続き、給与計算の手順、労働保険の年度更新、従業員が辞めるときの手続き
頼んだほうがよい場面
- 入退社が年に何度も起きる:期限が短い手続きが繰り返し発生する
- 常時10人以上になった:就業規則の作成・届出が義務になる
- 変則的な働き方がある:シフト制、裁量労働、短時間勤務など
- 助成金を使いたい:申請要件と労務管理が結びついている
- すでにトラブルの芽がある:残業代、解雇、ハラスメント
最後の項目は特に、起きてから探すと選択肢が狭くなります。労働時間の記録や雇用契約書が整っているかどうかで、後から取れる対応が変わります。→ 労働条件の明示で書かなければならないこと、36協定と時間外労働の上限
自分でやる場合の負担を減らす
- 電子申請を使えるようにする(窓口に行く時間がなくなる)
- 給与計算はソフトに任せる(税額表と保険料率が毎年変わるため)
- 年間の期限をカレンダーに入れる → 年度替わりにやること一覧
- 判断に迷う手続きは、出す前に年金事務所・ハローワーク・労働基準監督署に電話で確認する
4は無料で、しかも確実です。「不要」と言われるだけで終わることも多くあります。
社労士の業務範囲
どこまで頼めるのかは法律で決まっています。
社会保険労務士法第2条は、労働・社会保険に関する法令に基づく申請書等の作成、提出手続の代行、事務代理、帳簿書類の作成、労務管理・社会保険に関する相談・指導などを社会保険労務士の業務としています。
同法第27条は、「社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第二条第一項第一号から第二号までに掲げる事務を業として行つてはならない」と定めています(他の法律に別段の定めがある場合等を除く)。
同法第27条は、「社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第二条第一項第一号から第二号までに掲げる事務を業として行つてはならない」と定めています(他の法律に別段の定めがある場合等を除く)。
つまり申請書の作成と提出代行を報酬を得て代わりにやれるのは社労士だけです。当サイトは制度の説明を行うもので、手続きの代行や個別の労務相談は行いません。
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- 社会保険労務士法(2条・27条) — e-Gov法令検索
各手続きの期限は個別記事の出典(労働保険徴収法・雇用保険法施行規則・厚生年金保険法)を参照しています。
最終確認日:2026年9月9日。制度は改正されます。実際の手続きの前に、上記の一次資料および所轄の窓口で最新の内容をご確認ください。当サイトは税理士・社会保険労務士・司法書士・弁護士による相談業務を行うものではありません。