定款の事業目的の書き方
事業目的は、定款に必ず書き、そのまま登記簿に載ります。誰でも見られる情報で、口座審査でも許認可でも読まれます。設立時に決めるものの中では、後から変えるコストが高い部類です。
条文の位置づけ
会社法第27条:株式会社の定款には、一 目的/二 商号/三 本店の所在地/四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額/五 発起人の氏名又は名称及び住所を記載しなければならない。
会社法第576条第1項:持分会社(合同会社など)の定款にも、一 目的/二 商号/三 本店の所在地ほかを記載しなければならない。
会社法第911条第3項第1号:設立登記において「目的」を登記しなければならない。
会社法第576条第1項:持分会社(合同会社など)の定款にも、一 目的/二 商号/三 本店の所在地ほかを記載しなければならない。
会社法第911条第3項第1号:設立登記において「目的」を登記しなければならない。
つまり株式会社でも合同会社でも必須で、定款に書いた目的がそのまま公開情報になります。→ 登記簿の読み方
広く書くか、絞るか
| 広く書く | 絞って書く | |
|---|---|---|
| 将来の事業追加 | 変更登記が不要になりやすい | そのつど変更登記 |
| 法人口座の審査 | 「何の会社か分からない」と見られやすい | 事業内容が伝わりやすい |
| 取引先の印象 | 実態が読めない | 専門性が伝わる |
| 許認可 | 要件に合う文言があるかが問題 | 狙った文言を正確に入れられる |
「とりあえず20個並べる」は、口座審査で不利に働きやすい組み合わせです。→ 口座審査で見られる事業目的、口座審査の期間と流れ
実務的な決め方
1. 今すぐ売上が立つ事業を、具体的な言葉で1〜3個
2. 1〜2年以内に始める可能性が高いものを2〜3個
3. 許認可が要る事業をやるなら、その許認可の要件文言をそのまま
4. 末尾に「前各号に附帯関連する一切の事業」
合計5〜8個に収める
4の一文があると、本業に付随する細かい行為をいちいち書かずに済みます。ただしこれで何でもできるわけではありません。許認可の要件は個別の文言で判定されます。→ 許認可と本店住所
許認可がある場合は先に確認する
古物商・建設業・人材紹介・旅行業などは、目的欄に特定の文言が入っていないと申請が通らないことがあります。設立後に気づくと、目的変更登記をしてから申請し直しになります。
必要な文言は許認可の種類と窓口によって異なります。定款を確定する前に、申請先の窓口に「この文言で足りるか」を確認してください。設立後に直すほうが確実に高くつきます。
後から変えるとどうなるか
目的の変更は定款変更(株主総会の特別決議)+変更登記です。登記には登録免許税がかかり、司法書士に頼めばその報酬も乗ります。変更登記の全体像は→ 登記が必要になる変更の一覧
合同会社の場合は総社員の同意による定款変更+登記です。→ 合同会社の運営ルール
書き方の注意
- 「〜業」で終える:「Webサイトの企画、制作及び運営」のように、行為が分かる形にする
- 造語・略語を避ける:登記官が意味を判断できない語は補正になることがある
- 適法な事業であること:法律上できない事業は登記できない
- 他社の登記簿を見る:同業の会社の目的欄は登記情報提供サービスで確認できる
次に読む
6問で次にやることを出す出典:会社法27条、576条1項、911条3項1号(e-Gov法令検索で条文を確認)/最終確認日:2026年9月9日