法人の預金管理と資金繰り表
利益と現金は別물です。黒字でも支払いが先行すれば資金は尽きます。ひとり法人が最低限やる管理を整理します。
なぜ黒字でも足りなくなるのか
- 売上と入金にずれがある:3月に売り上げても入金は5月末、ということが普通に起きます
- 仕入や外注の支払いが先:入金より前に出ていきます
- 税金と社会保険は利益と無関係に来る:赤字でも均等割は発生します
- 設備投資は一括で出ていく:経費計上は分割でも、支払いは一度です
口座を役割で分ける
メイン口座:売上の入金と経費の支払い
納税用:消費税・法人税・社会保険の積み立て
2つ目は必須ではありませんが、消費税の課税事業者になると効果が大きいです。預かった消費税は自分のお金ではないため、分けておかないと納付時に足りなくなります。
→ 法人口座は複数作るべきか/設立から2年の消費税免税が崩れる条件
資金繰り表は6行で足りる
複雑な表は続きません。月ごとに次の6行だけを埋めてください。
| 行 | 内容 |
|---|---|
| ① 月初の残高 | 実際の預金残高 |
| ② 入金予定 | 請求済みで、支払期日が当月のもの |
| ③ 経常的な支出 | 家賃・通信費・外注費・役員報酬・社会保険 |
| ④ 臨時の支出 | 税金の納付、設備投資、保険 |
| ⑤ 月末残高 | ① + ② − ③ − ④ |
| ⑥ 危険水位との差 | ⑤ − (固定費の2〜3か月分) |
3か月先まで埋めるのが目安です。⑥がマイナスになる月が見えたら、そこが手を打つ期限になります。
手を打つ順番
1. 入金を早める(前金・分割検収の交渉)
2. 支出を遅らせる(支払サイトの交渉、カード決済に寄せる)
3. 固定費を下げる(事務所を住所だけの契約に)→ 住所を借りるサービスの比較
4. 役員報酬を見直す(期首から3か月以内)→ 役員報酬の決め方
5. 借入を検討する → 創業融資の準備
借入は最後です。ただし「資金が尽きてから」では審査に通りません。残高がまだあるうちに動くのが原則です。
会計ソフトの残高と実際の残高を合わせる
銀行連携を設定して、月次で消込を済ませておけば、資金繰り表の①と②は自動的に埋まります。→ 法人の会計をどう回すか
いくら売れば固定費をまかなえるかは→ ひとり法人の損益分岐点
納税は請求書が来ないため資金繰り表に載せ忘れます。→ 法人の納税方法、買掛金と支払管理
それでも納付できないときの制度は→ 一度に納められないときの納税の猶予
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6問で次にやることを出す最終確認日:2026年9月9日