法人にかかる税金と税率の全体像
この記事の要点
- 法人の利益にかかる税金は1つではありません。法人税・地方法人税・防衛特別法人税・法人住民税・法人事業税が別々にかかります。
- 中小法人は所得800万円以下の部分が15%(本則19%を租税特別措置法で軽減)。それを超える部分は23.2%です。
- 赤字でも法人住民税の均等割は発生します。「利益が出なければ税金ゼロ」にはなりません。
かかる税金の一覧
| 税金 | 課税主体 | 何にかかるか | ポイント |
|---|---|---|---|
| 法人税 | 国 | 所得 | 本則23.2%/中小法人の800万円以下は軽減あり |
| 地方法人税 | 国 | 法人税額 | 法人税額に対して課される |
| 防衛特別法人税 | 国 | 課税標準法人税額 | 令和8年4月1日以後開始事業年度から。基礎控除あり |
| 法人住民税 | 都道府県・市町村 | 法人税額+均等割 | 赤字でも均等割が発生 |
| 法人事業税・特別法人事業税 | 都道府県 | 所得 | 赤字なら原則かからない(外形標準課税の対象法人を除く) |
法人税の税率
法人税法第66条第1項:内国法人である普通法人などに課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、所得の金額に100分の23.2の税率を乗じて計算した金額とする。
同条第2項:資本金の額が1億円以下であるものなどの所得の金額のうち年800万円以下の金額については、100分の19の税率による。
同条第2項:資本金の額が1億円以下であるものなどの所得の金額のうち年800万円以下の金額については、100分の19の税率による。
ただし、この19%はさらに軽減されています。
租税特別措置法第42条の3の2:資本金1億円以下の普通法人などについて、平成24年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度の所得に係る法人税法66条2項の「100分の十九」を「100分の十五」とする(所得の金額が年10億円を超える事業年度については100分の十七)。
※通算法人および適用除外事業者は対象外です。
※通算法人および適用除外事業者は対象外です。
| 所得の区分 | 税率 | 適用期間 |
|---|---|---|
| 年800万円以下の部分 | 15%(所得10億円超の事業年度は17%) | 令和9年3月31日までに開始する事業年度 |
| 年800万円を超える部分 | 23.2% | — |
事業年度が1年に満たない場合、800万円は月数で按分します(法人税法66条4項)。
防衛特別法人税
令和8年4月1日以後に開始する事業年度から、法人税に上乗せする形で課される国税です。国税庁の申告書様式も「法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告」という名称に変わっています。
我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法
第9条:法人の各課税事業年度の基準法人税額には、当分の間、防衛特別法人税を課する。
第13条:課税標準は課税標準法人税額(基準法人税額から基礎控除額を控除した金額)。基礎控除額は通算法人以外の法人で年500万円。
第14条:防衛特別法人税の額は、課税標準法人税額に100分の4の税率を乗じて計算した金額とする。
第9条:法人の各課税事業年度の基準法人税額には、当分の間、防衛特別法人税を課する。
第13条:課税標準は課税標準法人税額(基準法人税額から基礎控除額を控除した金額)。基礎控除額は通算法人以外の法人で年500万円。
第14条:防衛特別法人税の額は、課税標準法人税額に100分の4の税率を乗じて計算した金額とする。
基礎控除が年500万円あるため、法人税額が500万円以下の会社では課税標準がゼロになります。ひとり法人の多くはここに収まります。ただし申告そのものが不要になるわけではない点に注意してください。
赤字でもかかるもの
法人税・事業税は所得にかかるので、赤字なら発生しません。しかし法人住民税の均等割は資本金と従業者数で決まる定額なので、赤字でも払います。→ 赤字でもかかる法人住民税の均等割
赤字は繰り越して翌期以降の所得と相殺できます。→ 赤字は何年繰り越せるか
「実効税率」という言い方
法人税・地方法人税・住民税・事業税を合わせた負担の割合を実効税率と呼びます。ただし住民税と事業税は自治体ごとに税率が違い、所得の水準でも変わります。このサイトでは特定の実効税率の数字を示しません。自社の数字は、決算を組むときに税理士か、都道府県税事務所の案内で確認してください。
税率は改正されます。特に租税特別措置法の軽減税率には適用期限(令和9年3月31日までに開始する事業年度)があり、防衛特別法人税は令和8年4月1日以後開始事業年度からの新しい税です。申告の年度に対応する税率を必ず確認してください。
納めるタイミング
- 確定申告:事業年度終了から2か月以内 → 初めての決算でやること
- 中間申告:2期目から発生することがある → 法人税の中間申告が必要になる会社
- 納付書は送られてこない → 法人の納税方法を決める
- 払えないときは猶予の制度がある → 一度に納められないときの納税の猶予
出典・根拠
- 法人税法(66条) — e-Gov法令検索
- 租税特別措置法(42条の3の2) — e-Gov法令検索
- 我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法(9条・13条・14条) — e-Gov法令検索
- 国税庁「法人税等各種別表関係」(申告書の名称を確認)
法人住民税・法人事業税の税率は自治体により異なるため、本記事では具体的な率を示していません。
最終確認日:2026年9月9日。制度は改正されます。実際の手続きの前に、上記の一次資料および所轄の窓口で最新の内容をご確認ください。当サイトは税理士・社会保険労務士・司法書士・弁護士による相談業務を行うものではありません。