増資の手続きと費用
増資は「お金を入れる」だけの話ではありません。登記が必要で、税金の区分も動きます。特に1,000万円の境界には注意が要ります。
登録免許税
株式会社または合同会社の資本金の増加の登記
増加した資本金の額 × 0.7%(3万円に満たないときは、申請件数1件につき3万円)
出典:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」
つまりいくら増資しても最低3万円かかります。428万円を超えると0.7%のほうが大きくなります。小刻みに何度も増資すると、そのたびに3万円が発生します。
1,000万円をまたぐと変わるもの
| 1,000万円未満 | 1,000万円以上 | |
|---|---|---|
| 消費税の納税義務 (基準期間がない事業年度) | 原則として免除 | 免除されない(事業年度開始の日における資本金の額で判定) |
| 法人住民税の均等割 (標準税率・従業者50人以下) | 年7万円 | 年18万円(1億円以下の場合) |
消費税の判定は「事業年度開始の日」の資本金です。期の途中で増資した場合と、期首時点で増えている場合とで結論が変わります。増資のタイミングが税額に直結します。実行の前に必ず税理士にご確認ください。→ 免税が崩れる条件/赤字でもかかる均等割
手続きの流れ(募集株式の発行)
1. 募集事項を決定する(株主総会または取締役会の決議。定款と会社の機関設計による)
2. 引受けの申込みと割当て
3. 払込み(会社の口座へ)
4. 変更登記:登記事項に変更が生じたときは2週間以内(会社法915条1項)
合同会社の場合は、社員の出資の履行と定款変更(出資の価額の変更)を経て登記する形になります。機関設計と定款の定めで手順が変わるため、司法書士に確認するのが安全です。→ 登記を自分でやるか、司法書士に頼むか
設立時の払込みは発起人の個人口座に対して行いますが、増資の払込みは会社の口座に対して行います。ここは設立時と違います。→ 資本金の払込みはどうやるか
増資する理由と、しなくてよい理由
| 増資したくなる理由 | 先に確認すること |
|---|---|
| 取引先や許認可で資本金の額を求められた | 求められている額を正確に確認する。業種によって基準が違います → 許認可が必要な業種の住所要件 |
| 法人口座の審査で有利にしたい | 資本金だけで決まる話ではありません → 資本金は口座審査にどう影響するか |
| 運転資金を入れたい | 役員からの借入れという方法もあります。増資は戻せませんが、借入れは返済できます。どちらが適切かは税理士に相談してください |
| 見た目を良くしたい | 1,000万円をまたぐと消費税と均等割の負担が増えます。効果と負担を比べてください |
減資はもっと手間がかかる
増やした資本金を減らす(減資)には、債権者保護手続きが必要です。官報公告と、知れている債権者への個別催告が求められ、期間もかかります。「とりあえず多めにしておく」が後で高くつくのは、この非対称性のためです。
設立時の考え方は 資本金はいくらにするか にまとめています。
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6問で、先に手をつける順番を出す出典:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」/会社法第915条(e-Gov法令検索)。最終確認日:2026年9月8日。このページは税務・法務の助言ではありません。実行の前に税理士・司法書士にご確認ください。