商標登録の手続きと費用
この記事の要点
- 商号の登記と商標の登録は別の制度です。登記できた社名でも、他社の商標を侵害することがあります。
- 費用は出願料3,400円+(区分数×8,600円)、登録料は区分数×32,900円(10年分)。区分をいくつ取るかで金額が変わります。
- 急がないなら、まず先行商標の調査だけ先にやってください。調査は無料でできます。
登記と商標の違い
| 制度 | 窓口 | 何をするか | 効果 |
|---|---|---|---|
| 商号の登記 | 法務局 | 会社の名称を登記する | 同一住所で同一商号は登記できないという制限にとどまる |
| 商標の登録 | 特許庁 | 商品・サービスに使う名称やロゴを独占的に使える権利 | 登録すると、同じ区分で他社の使用を止められる |
登記が通ったことは、その名前を安全に使えることを意味しません。先に他社が同じ名前を商標登録していれば、使用の差止めや損害賠償を求められる可能性があります。→ 会社名(商号)の決め方、会社名の商標を先に調べる
費用(特許庁が公表している金額)
| 項目 | 金額 | タイミング |
|---|---|---|
| 商標登録出願 | 3,400円+(区分数×8,600円) | 出願時 |
| 商標登録料 | 区分数×32,900円(10年分) | 登録査定後 |
| 分納(前期・後期支払分) | 区分数×17,200円 | 5年ずつ分けて納める場合 |
| 更新登録申請 | 区分数×43,600円 | 10年ごと |
| 分納(更新時の前期・後期) | 区分数×22,800円 | — |
「区分数」で金額が決まります。1区分だけなら出願12,000円+登録32,900円。3区分取れば出願29,200円+登録98,700円です。区分を増やすほど費用が上がるので、実際に使う範囲だけに絞るのが基本です。
上記は特許庁に納める料金です。弁理士に依頼する場合は、これとは別に代理人手数料がかかります。手数料の額は事務所ごとに異なります。
手順
- 使いたい名称を決める
- 先行商標を調べる(特許庁の検索サービスで無料。同じ区分に似た商標がないか)→ 会社名の商標を先に調べる
- 区分を決める(自社の商品・サービスが属する分類。迷うなら実際に使うものだけ)
- 出願書類を作成して特許庁に提出(オンラインまたは書面)
- 審査を待つ(数か月〜1年程度かかることがある)
- 登録査定が出たら、登録料を納付して登録
ひとり法人が判断する基準
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 急いで登録すべき | サービス名で集客している/ECやアプリで名称が売上に直結する/同業に似た名前がある |
| 調査だけで足りる | 社名を対外的にほとんど出さない/受託中心で屋号を使わない |
| やらない選択もある | 名称を変える余地があり、費用を他に回したい |
調査だけなら無料で、リスクの大半はそこで見つかります。「登録するかどうか」の前に、まず調べてください。
設立前後のどちらでやるか
出願は個人でも法人でもできますが、法人で使う商標は法人名義で出願するのが素直です。設立前に急いで個人名義で出すと、後で移転(名義変更)の手続きが必要になります。
会社名を決める段階で調べておけば、この問題自体が起きません。→ 会社名(商号)の決め方、定款の事業目的の書き方
区分の選び方、類似の判断、拒絶理由への対応は専門性が高い領域です。当サイトは制度と料金の整理にとどめており、個別の出願可否は判断しません。判断に迷う場合は弁理士、または特許庁の相談窓口にご確認ください。
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出典・根拠
- 特許庁「産業財産権関係料金一覧」(出願料・登録料)
- 商標法 — e-Gov法令検索
弁理士に依頼する場合の代理人手数料は事務所ごとに異なるため、本記事では示していません。
最終確認日:2026年9月9日。制度は改正されます。実際の手続きの前に、上記の一次資料および所轄の窓口で最新の内容をご確認ください。当サイトは税理士・社会保険労務士・司法書士・弁護士による相談業務を行うものではありません。