景品表示法とステマ規制
「実際より良く見せる」「実際より安く見せる」表示は、意図がなくても違反になります。ひとり法人でも、商品やサービスを一般消費者に売るなら対象です。
禁止される表示(法5条)
不当景品類及び不当表示防止法第5条:事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一(優良誤認) 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して同種・類似の商品を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
二(有利誤認) 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は他の事業者に係るものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、…
三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、…内閣総理大臣が指定するもの
一(優良誤認) 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して同種・類似の商品を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
二(有利誤認) 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は他の事業者に係るものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、…
三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、…内閣総理大臣が指定するもの
ステマは3号の指定によって違反になった
消費者庁は「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」として、5条3号に基づく指定「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」を公表しています。
消費者庁の説明から、重要な点を条文の趣旨どおりに整理します。
| 論点 | 消費者庁の説明 |
|---|---|
| 対象になるもの | 広告であって、一般消費者が広告であることを分からないもの。広告には、企業がインフルエンサー等の第三者に依頼・指示するものも含まれる |
| 媒体 | インターネット上の表示(SNS投稿、レビュー投稿など)だけでなく、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌等の表示についても対象 |
| 対象外 | 個人の感想等の広告でないものや、テレビCM等の広告であることが分かるもの |
| 誰が責任を負うか | 規制の対象となるのは商品・サービスを供給する事業者(広告主)。依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とならない |
依頼した側が責任を負うという点が実務上いちばん重要です。「インフルエンサーが勝手に書いた形にする」は、広告主の責任を消しません。
ひとり法人でやりがちなこと
- 自社商品のレビューを自分で書く:事業者の表示なのに第三者の感想に見える
- 知人に依頼して感想を投稿してもらう:依頼・指示があれば広告
- 「業界No.1」と書く:根拠がなければ優良誤認(5条1号)。合理的な根拠を示す資料が必要
- 「通常価格50,000円→今だけ9,800円」:通常価格で販売した実績がなければ有利誤認(5条2号)
- アフィリエイターに書かせた記事:広告主の表示として扱われうる
やること
1. 広告であることが分かる表示を入れる(「広告」「PR」など、消費者が明確に判別できる形で)
2. 効果や順位を書くなら、根拠資料を保存しておく
3. 価格比較は、比較対象の実績を残す
4. 第三者に依頼するときは、契約書に表示のルールを入れる → 取引基本契約書で決めること
「PR」表記の位置や大きさ、どこまで書けば判別できるとされるかについては、消費者庁が運用基準とガイドブックを公表しています。実際に広告を出す前に、運用基準で具体例を確認してください。
他の表示ルールとの関係
- 通信販売をするなら特定商取引法の表示義務 → 特定商取引法と住所表示
- 顧客情報を扱うならプライバシーポリシー → 顧客情報を扱うときの個人情報保護法
- 健康・美容の効能表示は薬機法・健康増進法も関係する(本記事の範囲外)
次に読む
6問で次にやることを出す出典:不当景品類及び不当表示防止法5条(e-Gov法令検索)、消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」および同ページが示す告示・運用基準/最終確認日:2026年9月9日